病院食が1600kcalなのはなぜ?元看護師が話す理由と家で続ける方法
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結論

体に合わせて決まる
退院後は写真で記録
病院食の1600kcalは、全員に共通の数字ではなく、一人ひとりの体に合わせて決められたカロリーの段階のひとつです。 同じ病棟でも、体重や体の状態によって食事の量や内容は人それぞれで、決めるのは主治医や管理栄養士です。 退院後も病院食のような食事を続けたいなら、写真で記録する、味付けを工夫するほか、病院食のような宅配食を活用するのもおすすめです。外来で管理栄養士に相談できる場合もあるので、退院後に困ったら担当の医師に相談してください。

1600kcalって、足りるのかな……。正直、お腹がすいちゃう。

そう感じる方は多いです。私は「量が物足りないですよね」と、まず受け止めるようにしていました。
「1600kcalで足りるの?」「家でも同じにしたい」という声

病院食のカロリーを知って、こんなふうに感じていませんか。
- 1600kcalと聞いたけれど、正直お腹がすく。本当にこれで足りているの?
- なぜ自分の食事はこのカロリーなのか、理由を知りたい
- 退院しても病院食みたいな食事を続けたい。でも、自分で作れる気がしない
物足りなさを感じるのは、自然なことです。私は病棟で看護師として働いていましたが、患者さんから「足りない」と言われたこともあったと思います。
病院食のカロリーはどう決まる?

病院食のカロリーは、年齢や性別、身長・体重、体の状態などから、一人ひとりに合わせて決められます。カロリーには何段階かの設定があり、さらに同じカロリーでも、人によって食事の内容が違います。
1日に必要なエネルギーは、標準体重のような体格に、ふだんの活動量(入院中は、どのくらい安静にしているか)を合わせて計算する、と説明されています。
病院が公開している食事基準を見ると、たとえば常食が約2000kcal、お粥に合わせた軟菜食が約1600kcal、五分粥食が約1200kcalのように、食事の種類ごとにカロリーの目安が分かれている例があります(数字は病院によって違います)。1600kcalは「ほかより少ない特別な食事」というより、食事の種類や体の状態に合わせて決められた段階のひとつ、と考えるとイメージしやすいと思います。
たとえば、塩分やたんぱく質など、体の状態によって控える必要があるものは人それぞれです。生野菜や果物が出なかったり、量が減ったり、缶詰の果物が使われたりすることもあります。病院食は、カロリーだけでなく、こうした細かい配慮のうえで作られているのです。
つまり、「病院食=1600kcal」と決まっているわけではありません。あなたの体に合わせて選ばれた結果が、1600kcalだったということです。自分の食事のカロリーや理由を詳しく知りたいときは、主治医や管理栄養士に聞いてみてください。
病院の中では実際こうなっている

ここからは、私が病棟で見てきたことをお話しします。病院によってやり方は違うので、あくまで私がいた病棟での話としてお読みください。
カロリーや量について、患者さんによく聞かれたこと
「足りない」と言われたとき、私は「今のあなたに合った量が、このカロリー、この量、このメニューなんです」とお伝えしていました。
ただ、患者さんが求めているのは、そういう説明ではないとも感じていました。本人も頭では分かっている。でも、実際には物足りない。だから、気持ちに寄り添うことを大切にしていました。
「量が物足りないですよね」と先に受け止めたうえで、「だんだんこの量に体が慣れていくこともあるので、最初はしんどいですけど頑張りましょう」とお伝えすることが多かったです。
ただ、入院は多くの人にとって非日常で、とてもしんどい思いをしている方もいます。そんな中での「頑張りましょう」が、かえってつらくなる方もいます。だから、ストレスで張り詰めているような方には、その言葉は言わないようにしていました。
同じ病棟でも、食事は人によって違う
私がいた病棟は、生活習慣病の方が多いところでした。食事や生活習慣を見直すための入院をされている方もいました。
そうした病棟では、同じ病棟にいても、体重や体の状態によって、食事の内容が人それぞれ違っていました。隣の人と食事が違っても、それはそれぞれの体に合わせているからなのです。
退院したあと「病院食みたいな食事」を続けるには


退院したら、家でも病院食みたいに作りたい。でも、作れる気がしない……。

病院食の写真を撮っておくのがおすすめです。何を食べていたか分かって、作る人が再現しやすくなりますよ。
退院のとき、食事について心配されていたこと
退院のときによくあったのは、ご家族の「急に食事の制限と言われても、どう作ればいいのか分からない」という心配でした。毎日の食事を作る方にとっては、当然の不安だと思います。
そんなとき、私は病院食の写真を撮っておくことをおすすめしていました。
写真があれば、何を食べていたかが記録に残り、あとから見返しやすくなります。味付けを思い出す手がかりにもなります。写真だけでは味までは分からないかもしれません。それでも、どんな食材を使っているか、卵やお肉がどれくらいの量だったかがパッと見で分かれば、作る人にとっては再現しやすいはずです。
細かいことや分からないことは、栄養相談につないで、管理栄養士さんに聞いてもらっていました。
看護師として伝えていたこと
塩分が多くなりがちな方には、こんな工夫をお伝えしていました。
- 酸味を使う:レモンやお酢で味付けに変化をつける
- 醤油は「かける」より「つける」:使う量を自然に減らせる
- 香りを楽しむ:大葉、みょうが、生姜などで風味やアクセントをつける
- 出汁をしっかり効かせる:味が薄くても満足感が出る
退院後も、病院の外来で栄養相談を受けられる場合があります。家での食事で困ったら、まずは担当の医師に相談してみてください。

味が薄いと、続かなそう……。

酸味や香りのある食材を使ったり、出汁をしっかり効かせたりすると、味が薄くても満足感が出ますよ。
自炊と宅配食、続けやすいのは
毎日自分で作るのが大変なときは、宅配食を取り入れるのもひとつの方法です。食事に制限がある方向けの宅配食もあります。ただ、同じ病気の方でも、体の状態によって必要な制限は一括りにはできません。退院前や外来で管理栄養士さんに相談しながら、「今の自分にはどれが合うか」を一緒に選んでもらうのがおすすめです。
自炊と宅配食を組み合わせて、無理なく続けられる形を探してみてください。